主催者からの挨拶

全国大学保健管理研究集会は大学保健管理に携わる医師・看護師・保健師等の関係者が、医学・医療の進歩や保健管理に係る理論・技術について研鑽を積む機会として文部科学省の後援をいただいて開催され、平成24年度は第 50 回の記念大会となります。

全国大学保健管理研究集会の前身は昭和 33(1958)〜 昭和37(1962)年度の5年間に渡って開催された国立大学保健管理協議会で、昭和38(1963)年度から国立大学のみならず公立・私立大学の参加も得て全国大学保健管理研究集会となりました。第1回全国大学保健管理研究集会は昭和38(1963)年11月26・27日の両日に渡って奈良女子大学において開催され、参加者は 165 名であったと記録されています。

また、本年4月に公益社団法人となった全国大学保健管理協会は、昭和39(1964)年の第2回全国大学保健管理研究集会において社団法人として発足することが決められています。

第2回全国大学保健管理研究集会では文部省(現、文部科学省)から大学保健管理センター構想についての説明もなされ、大学保健管理センター設置の趣旨は「大学における保健管理を集中的、一体的に行い、事故発生以前に学生の身体的・精神的問題を把握し、未然に疾病による修学中断を防止する」こととされました。現在、多くの大学では保健管理センターが、学生の修学中断のみならず職員の就業中断の防止も担っていることはいうまでもありません。大学保健管理センター構想は、当初から「身体的問題」とともに「精神的問題」を取り上げ、積極的な健康管理による「疾病の未然の防止」を前面に掲げておりますことから、学校保健安全法とともに、今日的な ” 心の病 “ の増加や予防医学・健康教育の重要性を早くから認識したものであったといえ、その先見性の高さに敬服するところです。

この度の第 50 回全国大学保健管理研究集会では「大学保健管理の半世紀 〜先人に 学び未来を[ひら]く 〜」を共通テーマに、特別講演・招聘特別講演・教育講演・ランチョンセミナー・座談会・国際シンポジウム・一般研究発表等のプログラムを通じて、半世紀に渡る先人達の努力と、大学保健管理に密接に関係する課題における進歩や今後の展望について学び、社会に人材を送り出す大学の保健管理センターとして、大学内外に寄与する今日的・将来的な役割について鳥瞰し、新たな可能性を探っていただければと思います。

第 50 回全国大学保健管理研究集会 運営委員会
委員長 福田 秀樹
副委員長石田 廣史
副委員長馬場 久光